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土地の購入に際して気をつけたい事造成地の話

「造成地の地盤はあまり良くない」とは、一般的に良く言われている事ですが、その理由をご説明しましょう。でも、事情を理解してきちんと対処すれば怖い事はありません。



01:造成地のもともとの姿


01:造成地のもともとの姿

では、このような傾斜地に新しく宅地を造成する場合を例にとってご説明します。

この図は敷地の断面図のあくまで一例です。


現在では、このような傾斜地や山の一部を切り崩す形の造成工事が多くなっています。元は雑木林であった事が多いでしょう。地山(元々の地盤)の地層は一般的に、浅い地層は新しいので比較的柔らかく、深くて古い地層ほど押し固められいて固い傾向があります。 

ここでいう固い地層とは「岩盤」の事ではありません。関東近辺の場合、非常に固い岩盤は地下数百~数千mも地下にあります。岩盤の上に火山灰等が降り積もってできた粘土質の厚い地層「関東ローム層」が関東平野一体を広く覆っています。



02:「盛土」と「切り土」のバランス


02:「盛土」と「切り土」のバランス

新しく造成を行なう場合、なるべく元の地形に合わせて宅地や道路の高さを決めます。

工事の際に発生する「盛土(土を足す部分 = 図中でオレンジ色で示した部分)」と、「切り土(地山を削り取る部分 = 図中で黄色で示した部分)」の土の量は、ほぼ同じになるように計画します。


造成工事の際は、「盛土」と「切り土」を両方行う事になりますが、どちらかが多いと、土を売ったり買ったりするお金がかかります。「盛土」と「切り土」に必要な土の量はほぼ同じ、あるいはそれになるべく近づける設計をしなければなりません。

元の地形が急な傾斜なほど、盛土と切り土、それぞれの量が増えてバランスをとる事が難しくなります。




03:造成工事の過程で増えてしまう「盛土」


03:造成工事の過程で増えてしまう「盛土」

造成工事コストの事を考えると、なるべく手を付けなくて済む部分は残したいのですが、工事の都合により一時的に掘り返さなければならない部分がどうしても出てしまいます。


宅地や道路の成形のために必要な「盛土」と「切り土」の他に、擁壁(ようへき)の設置や、道路下の下水管等を設置するために、一時的に掘り返す必要のある部分が出てきます。道路と宅地の高低差がある場合、コンクリート製の階段や、コンクリート製の地下車庫の設置も合わせて行なう場合がありますが、これらも土の掘り返しを行なって工事を行なう必要があります。その他、元が雑木林だった場合、大きな樹木の根を撤去するために仕方なく掘り返してしまう箇所も出てきます。

上の図では、擁壁はPC(プレキャスト・コンクリート)材の既製擁壁を想定した絵となっていますが、この他、間知石やコンクリートブロック積みの擁壁等があり、断面形状や掘り返し方が違います。




04:複雑な地盤


04:複雑な地盤

このように、一時的に掘り返して埋め戻した土の部分や、新しく盛った土(盛土)の部分が、かなりの範囲・深さで発生してしまいます。

隣地区画との高低差が大きいほど、最終的な盛土部分の体積が大きくなります。


盛土や埋戻しを行なった地盤は、いくら人為的に押し固めても元の地盤強度に復活する事はありません。その深さが深いほど、問題は大きくなります。時間をかけて地盤が安定するのを待つしかありませんが、数十年もの歳月が必要です。しかも、部分的に十分な強度がもともとない地盤もあったりします。

不安定な埋戻し土や盛土、柔らかい地山や固い地山、いろいろな土質 等が混然となり、造成地の中に複雑な地盤ができてしまいます。いずれにしても、表面は平らできれいな地盤面に見える造成地でも、工事が終わった後では深い所で何がどうなっているのか良くわからないのです。




05:地盤調査の必要性


05:地盤調査の必要性

造成工事によって複雑な構成の地盤となってしまった地盤にそのまま建物を建てしまうと、長い年月の間に、トラブルが発生する可能性があります。

これに対処するためには事前に「地盤調査」を行い、その結果に基づいた、きちんとした対応策を行えば心配はありません。


「深い盛土があるけど、地盤の良いところもある...」このような複雑な地盤では、建物は傾いた状態で沈んでしまう可能性があります。(不同沈下=ふどうちんか)
その他、一部に「砂質土」の地盤がある場合は地震時の地盤の液状化現象が心配です。液状化現象が起こると地盤から水が吹き出し、建物は地盤に飲み込まれるように沈んでしまいます。

とにかく、地盤がどういう状態なのか知らなければ、対応策を検討できません。「地盤調査」の結果がとても大切です。

ご注意:
ちなみに上の図の建物は、木造2階建ての建物を想定しています。 基礎形状は「ベタ基礎」としていますが、地盤の状況やその他の要因によっては逆T字型の断面を持つ「布基礎」が良い場合もあります。




06:対応策の例


最後に、新しい造成地に建物を建てる場合の対処方法ですが、建物の重さを固い地盤に直接伝える手段、あるいは、基礎(建物)を支える地盤の補強、が必要となってきます。

06:対応策の例

地盤があまりよくない敷地で2階建て木造住宅を建てる場合に、杭工事よりも簡易でコストが比較的安い「地盤改良工事」と言う方法で地盤の補強を行う事があります。「地盤改良工事」にはいろいろな種類があります。
その中で、2階建て木造住宅の場合によく使われる「柱状地盤改良(コラム工法)」というものがあります。堅い地盤(支持層)まで円柱状に垂直のドリルで直径50cm~60cm程度の穴を堅い地盤(支持層)まで掘り、掘り返した土にセメントを混ぜて、また穴に戻して地盤を補強する、というものです。この工法は、盛土を含む軟弱地盤自体にもある程度の強度が要求されますが、コストが比較的安く、住宅建設の際には多く用いられていて、一般的に施工例が多い工法です。

その他、堅い地盤(支持層)までの深さが5~6mを超える場合や、地下水位が高い場合、その他特殊なケースの場合、設計者の判断によりますが、他の地盤改良工事、あるいは杭工事を検討した方が良い場合があります。

建物ができてしまえば、埋まって目に見えない部分の工事ですが、建物の安全を考慮してこうした工事を行う事によって、地盤が良くない場合でも安心して生活を送る事ができます。




「柱状地盤改良(コラム工法)」の施工中の写真

右の写真は「柱状地盤改良(コラム工法)」の施工中の写真です。

このような垂直のドリルを使って施工を行います。数多い地盤改良工法の中でも施工例が多く、比較的にコストが低めで、違う土質が混在する地盤にも有効な工法です。



「地盤改良工事」が必要なのかどうか判断するには、地盤調査の結果や現場の状況を元に、詳しく検討する必要があります。

  • 土地を購入した後だが、地盤調査を依頼したい。
  • 土地購入の契約前だが、地盤改良工事が必要かどうか知りたい。

などありましたら、ぜひご相談ください。

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